刑事ナッシュ・ブリッジス(原題|Nash Bridges)

[2015年02月12日 更新]

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刑事ナッシュ・ブリッジス

NAVI目線時にシリアスに、時にユーモアを満載する 痛快アクション刑事ドラマの決定版!

サンフランシスコを舞台に凶悪犯罪と立ち向かうサンフランシスコ市警察(S.F.P.D.)の特別捜査班(S.I.U.)の活躍を描いたポリスアクションドラマが『刑事ナッシュ・ブリッジス』だ。主役のナッシュを演じるのはドン・ジョンソン。彼の出世作でもある『特捜刑事マイアミ・バイス』で高級スーツをバリッと着こなし、フェラーリを駆るセクシーな二枚目刑事ジェームズ・"ソニー"・クロケットをクールに演じた彼だが、本作ではそのイメージを一新。どこか憎めない人好きする中年オヤジとしてナッシュを演じ、新境地の開拓に成功した。

タイトルに「ナッシュ・ブリッジス」と個人名を冠する刑事ドラマだが、このドラマは彼ひとりのヒーロー物語ではない。彼が属する特別捜査班(S.I.U.)の個性豊かな捜査官たちとナッシュとの関係を北米最大の都市サンフランシスコで多発する凶悪犯罪の捜査を通して描く群像劇だ。しかもナッシュは一匹狼タイプの刑事ではない。彼は他の誰よりもちょっとだけ勇気があって、少しだけ優しい隣のお兄さん的なヒーローだ。

では、ナッシュとその仲間たちを紹介しよう。

ナッシュ・ブリッジスは、ポリスアカデミーを卒業してからずっと徹底した現場主義を貫くS.F.P.D随一の敏腕刑事だ。現場へのこだわりが過ぎ、出世のための昇進試験を受けずにいるほど。ずば抜けた記憶力と黒帯クラスの武術の腕前でスマートに難事件を解決するかと思えば、ルール無視の荒技を繰り出すこともあるなど、目的のためには手段を選ばないところがナッシュの流儀。そんな彼の破天荒なスタイルは、部下たちにとってはあこがれであり、上司からは信頼に足る頼もしい部下として見られているのだろう。また、手先の器用さも彼の特徴で、特技はマジック。相手に気付かせずに手錠をかけてしまう小技やちょっとしたカードマジックで相手の気をそいだりするなど、犯人を翻弄させる小道具としてその腕前を披露することも。
そんなナッシュだが、多くの敏腕刑事がそうであるようにプライベートについては良き家庭人ではなかったようだ。一人目の妻リサからは「仕事一筋で他のことは頭にないから困るのよ」となじられ、二人目の妻のケリーとも上手くいかず、第1話からいきなり離婚届にサインしている。そんな仕事中毒が板に付いてしまったナッシュだが、家族に無関心というわけではない。リサとの間に生まれた一人娘のキャシディへの溺愛ぶりでかなりの親ばかを発揮しているし、痴呆症気味の父ニックの面倒を見るために奔走する姿も家族を守る大黒柱そのもの。しかし、いざ事件が起きるとそれら全てを忘れてしまい、その後始末に奔走することもたびたび...。

そんなナッシュの相棒にして良き理解者が、ジョー・ドミンゲス。
ナッシュとは20年来のつきあいがある彼だが、警察を辞めて私立探偵をしていたところをS.I.U.に非常勤で再雇用、ナッシュとのパートナーシップが復活。当初は自由な身分の外部スタッフとして参加するはずだったが、警察年金を受け取るにはわずかに勤務期間が足りなかったことが判明。その不足分を補うためにナッシュの上司A.J.シマムラの計らいで職場復帰することになるのだ。なので刑事になった今でも副業は私立探偵だ。また、うますぎる儲け話をめざとく探してきては、自分だけは大丈夫と信じてそのたび裏切られている悪癖(?)も。
刑事としての仕事ぶりはそこそこ。決め手に欠けるというか、詰めの甘さが目立つのはご愛敬。ラテン系の陽気な性格の持ち主で場の空気を和ませることにかけては天下一品。ことの顛末を面白おかしく説明する狂言回し的な役回りを進んで担当しており、ナッシュとの掛け合いはあたかも漫才を見ているかのよう。
家族はスウェーデン人の妻インガーと息子のJJ、シーズン途中で生まれたルシアの4人。実はかなりの恐妻家で、かつ過激なまでの親ばか。特に遅くに生まれたルシアへの溺愛ぶりはナッシュでさえ遠く及ばない。

そして、いつでもベレー帽をかぶり、ジャケットの上からベストを羽織るといった風変わりなスタイルで登場するのがナッシュの同僚ハーベイ・リーク。常にマイペースなベテラン警官だ。コンピュータ犯罪にめっぽう強く、化学の知識も豊富で爆弾処理にも精通しており、爆発物処理班の代わりにかり出されることもしばしば。
できる刑事の宿命なのかナッシュ同様、ワーカホリックの傾向が強い。仕事にかまけて家庭をおろそかにする始末でプライベートはひどくがたがた。趣味は80年代の音楽。グレイトフル・デッドの大ファンでジェリー・ガルシアを追悼する腕章を外したことがないなど、こだわるところは徹底的にこだわるいわゆる変人。ナッシュについて『スター・ウォーズ/ジェダイの復讐』に登場する人を食い尽くす口のでかい怪獣「サンド・クリーチャー」よりも恐ろしい存在と評したことも。

そんなハーベイが教育係になって仕込んでいるのが新人刑事エバン・コルテス。
後先考えない直情的な性格で捜査を混乱させてしまうこともしばしば。付け加えると無類の女好き。そのトンデモな性格をして周囲からは「若い頃のナッシュのよう」といわれているのだが、なぜか本人はそれをして「ナッシュのようにできる男」と解釈しているお気楽極楽なお天気野郎。特に女性には声をかけることが礼儀と思っているらしく、ナッシュの元妻リサを自宅に誘ったり、ナッシュに隠れて彼が溺愛する一人娘キャシディと交際するなど筋金入りの女好き。教育係のハーベイはそのどちらも気付いていたけど、ナッシュを恐れるあまりに見て見ぬふり。キャシディとは結婚を誓い合う仲にまで発展していくのだが、果たしてナッシュの心境やいかに!

『刑事ナッシュ・ブリッジス』の醍醐味は、なんといってもS.I.U.の捜査官が中心となって凶悪事件を解決していくポリスアクションストーリーではあるけれど、このドラマの魅力をそれだけに絞ってしまうのはもったいない。というのも、捜査官たちが家族や恋人と織りなす日々を描くサブストーリーが本編に負けずとも劣らず面白いからだ。
たとえば、ナッシュとリサ、とりわけ離婚後も一人娘のキャシディを交えて親愛な関係を続ける姿を描く一連のサブストーリーは仕事に没頭してしまいがちなナッシュの性格を理解するヒントにもなっている。また、ナッシュの父であり痴呆症を患うニックに向き合う彼の真摯な姿は家族間のみならず、人間関係での相互的信頼関係を大切にするナッシュの心情を垣間見せている。他にも、キャシディを溺愛するナッシュをジョーが笑い、ジョーの愛娘ルシア(生後9カ月)の幼稚園入園面接にかけるジョーの意気込みにナッシュが呆れるナッシュ&ジョーの親ばか物語もなかなか興味深い。そんな個性豊かな登場人物たちのサブストーリーを追いかけるだけでもちょっとしたホームドラマより面白いこと間違いなし。中でもおすすめなのがエバン。彼の成長っぷりは意外な顛末を含め、見逃せない。

さて、『刑事ナッシュ・ブリッジス』の魅力は登場人物だけに留まらない。彼らが日々捜査に使っている車もレアもの揃い。
ナッシュの愛車にして、このドラマを象徴する黄色いオープンカーが1971年型のクーダ・コンパーチブル。コークボトルラインとも呼ばれる流線型のボディが美しいこの車、実は世界に14台しか実在しない稀少車だ。その稀少さにも関わらず、無造作に、というか下駄代わりに使い倒しているあたりは流石アメリカ流。大きなトラブルに見舞われぬようにナッシュなりに気を遣っているけど、銃撃戦に巻き込まれたり、屋上から投身自殺を図った犯人に墜落されたりと、災難続き。撮影用にレプリカを含めて4台用意し、ドン個人も1台所有していたとのこと。撮影が終わった時に、その全てをオークションに流したとのことだが、今はどこで何をしていることやら。
他にもS.I.U.には車にこだわる捜査官も多く、ハーベイは青春時代の思い出が詰まった70年代前半のフォード・ランチェロを使い続けていたし、第4シーズンから登場する元C.I.Aエージェントのケイトリン・クロスの愛車はゼブラのZロードスターという電気自動車だ。お約束というか、充電を忘れて動けなくなったエピソードもあったりして、マニアにはたまらないものがあるとかないとか...。いつも明るくノリノリなジョーの愛車は意外に地味でBMWの5シリーズ。その後、捜査中に車を壊され、証拠品として保存されていた7シリーズと秘密裏に交換してもらった、なんてこともありました。

また、ドラマの舞台でもあるサンフランシスコはアメリカでも有数の地震多発地帯で、放送開始当時は1989年10月に発生したロマ・プリータ大地震の記憶も生々しく、そのためS.I.U.のオフィスもこの地震の被害を受けたという設定で開始。庁舎を直すまで市内で改修工事中のビルを間借りすることになるのだが、実際には吹き抜けのホールに机を並べただけというおよそ刑事部屋とは思えない場所で、フロアの移動は工事用のエレベータを使う始末。その後、オフィスを移転することになるのだが、次なるオフィスは港に停泊していた大型フェリー「ユーリカ号」。その後も元クラブだった場所をオフィスにするなど、サンフランシスコのベイエリアを転々とし、庁舎の改修が完了する前にシーズンが終了。ちなみに、ユーリカ号は現在観光船として一般公開されているとかいないとか。ナッシュになりきって後部甲板でコーヒーなど飲んでみたいもの...。
そうそう、ナッシュが住むアパートもまた地震の被害を受けており、壁に巨大な穴が開く始末だ。ちなみに、アパートへの出入りは工事用のエレベータを使い、地震の時にできた巨大な穴が玄関代わり。地震の影響のせいか耐震強度が極端に低くなっており、それもあって格安の値段で借りることができている。屋上にはジャクジー付きの露天風呂が付いているが、こちらはどうもキャシディ専用みたい。

登場人物に確かな存在感を与えるサブストーリー、細部にまで気配りされた隙のない物語世界を持つ本編、多彩なゲストスターと、本作の魅力はいろいろだが、その中心にいるのが制作総指揮にして主役を演じているドン・ジョンソンだ。実は自身の出世作であり、社会現象にまでなった『マイアミ・バイス』では彼自身が幾度か監督を務めており、ドラマの制作スタッフとして実際に手を動かしてきた経験もあるのだ。彼のそうした実績と熱意の甲斐もあってか、『刑事ナッシュ・ブリッジス』は1996年にアメリカで放映されるやすぐに人気を博し、2001年までの6年間で全6シーズン122話を放送とロングヒットシリーズへと成長。100話目の放送時には米エンターテイメント専門誌「The Hollywood Reporter」が記念号を刊行したほど。全盛期には全米約700万世帯に視聴されていたとか。
日本でも地上波やCSで繰り返し放送されており、その人気は今も衰える気配をみせない名作ドラマなのだ。

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